スパイラルタップの折れる原因・トラブルについて WHY SPIRAL TAPS ARE BAD

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スパイラルタップは
何故ダメなのか

折れる(正転)

原因 対策案①(効果が考えられる) 対策案②(気休めに近い)

切り粉詰まり

・内部給油

・コーティングを避ける

・加工速度を上げる

・加工速度を下げる

欠けたまま加工

・欠け対策

折れる(逆転)

原因 対策案①(効果が考えられる) 対策案②(気休めに近い)

レリーフ部に噛み込み

・内部給油

・逆転速度を下げる

欠ける(食い付き部~最初の完全山)

原因 対策案①(効果が考えられる) 対策案②(気休めに近い)

磨耗の進行による疲労破壊

・ねじれ角を弱く(横型のみ推奨)

・材質変更

振れによる衝撃

・ワーククランプの見直し

・タッパーを使用

ねじ山と面取り部の隙間に挟まった

※コレットスルーは促進させやすい

※欠けたまま使用するとさらに
噛み込みやすい

欠損

欠ける(完全山より後方)

原因 対策案①(効果が考えられる) 対策案②(気休めに近い)

ねじ山と面取り部の隙間に挟まった

※コレットスルーは促進させやすい

※欠けたまま使用するとさらに
噛み込みやすい

欠損

巻き付く

原因 対策案①(効果が考えられる) 対策案②(気休めに近い)

排出できていない

・内部給油

切り粉がホルダーに干渉している

・ロングシャンクに変更

・細身のホルダーに変更

加工深さが深すぎて、縛られている

切りじまいに切り残しがある

原因 対策案①(効果が考えられる) 対策案②(気休めに近い)

タップは止まって回転できない

タップは止まって回転できない

切り粉が残る

原因 対策案①(効果が考えられる) 対策案②(気休めに近い)

切削油は口元より流入している

・内部給油

口元にカエリバリが発生する

原因 対策案①(効果が考えられる) 対策案②(気休めに近い)

芯ズレ+ラジアルフロート
(タップが抜ける際に斜めに抜ける)

・ワーククランプの見直し

送りエラー+伸縮タッパー
(タッパーが伸びている状態で
タップが抜ける)

・TFレリーフ付きを選ぶ

・伸縮タッパーを使用しない

逃げ側フランク面の切れ味が悪い

・ねじれを強めず、
スクイ角を強くする

詳細を見る

内径(メネジ山頂)にカエリバリが発生する

原因 対策案①(効果が考えられる) 対策案②(気休めに近い)

逃げ側フランク面の切れ味が悪い

・ねじれを強めず、
スクイ角を強くする

詳細を見る

止まりゲージが止まらない

原因 対策案①(効果が考えられる) 対策案②(気休めに近い)

追い側/逃げ側の切れ味の差から
進み勝手

・TFレリーフ付きを選ぶ

・伸縮タッパーを使用しない

切り粉を噛み込み、
メネジを壊している

・内部給油

寿命が短い(磨耗)

原因 対策案①(効果が考えられる) 対策案②(気休めに近い)

追い側フランク面が鋭角

・材質変更

・表面処理タイプの見直し

・ねじれ角変更

ねじれが強いことで鋭角

メネジのムシレ

原因 対策案①(効果が考えられる) 対策案②(気休めに近い)

切り粉の噛み込み(正転)
(ねじ山と面取りの隙間に挟まった)

切り粉の噛み込み(逆転)

・内部給油

スパイラルタップの構造上、「タップの進行方向」と「切り粉の排出方向」、「給油方向」が交錯する。それによって噛み込みが発生しやすくなる。いわば【偶然性が高まる構造】であり、それは結果的に必然性となる。

切り粉を垂直方向に排出させる巻き付きの原因

切り粉を放射状に排出させる面取り部と噛み込みやすくなる

適正な溝形状(刃形状)を選定するクレーター磨耗によって、常に変化していく

適正な溝形状(刃形状)を選定する深さが変われば、同じように排出されない

適正な溝形状(刃形状)を選定するワーク素材の硬さ/粘さによって変化していく

スパイラルタップの構造

このようなトラブルが発生する必然性から、『何をやってもダメ』という結論に辿り着く。
そこでテストをフェードアウトして疎遠になってしまうくらいなら、失敗を繰り返す前に『無理である』と“論理的に”解説して差し上げましょう。
そうすれば…【転造化を提案する】【貫通穴と止まり穴を別々のタップで加工する】【加工速度を下げる】…などのお客様にとってネガティヴな提案をご理解いただきやすくなるでしょう。

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